地震で倒壊した家屋と木材が散乱する能登の被災地の街並み
能登の港町の俯瞰風景。黒瓦の屋根が連なり、灯台と穏やかな海が広がる
地震による土砂崩れと瓦礫が海岸を覆う能登の被災地の様子
満開の桜並木が続く能登の駅ホーム。海を背景に多くの人が行き交う

休眠預金活用事業レポート

能登で生きる人に寄り添った
『住むこと』の復興支援

対談から見えた活動成果

珠洲市から広がった
「取り残さない」支援とは

士業相談活動の対談風景

対談から見えた活動成果

官民連携で描いた、
能登の「残す」復興とは

被災家屋の利活用をテーマとした対談風景

本レポートページでは、令和6年1月1日に発生した能登半島地震等により被災し、住まいや生活の再建に困難を抱える方々を「居住支援」の観点から支援した休眠預金活用事業の成果を報告します。

被災地で抱えていた
「住むこと」の課題

01

相談できず
取り残される被災者

被災者を支援する制度はいろいろありますが、情報を与えれば誰でも使える訳ではありません。自宅が壊された被災者は、日々さまざまな不安や困難を抱えている中で、自ら窓口に足を運んで相談や申請をひとりで行うのは容易ではありません。
行政サービスにおける平時の申請主義のままでは、「制度があっても届かない」という深刻な状況が発生し、本当に助けが必要な人ほど、支援の手が届かず、取り残されてしまうという深刻な事態が、これまでも数々の被災地で繰り返されてきました。
また、一度相談をした方でも、複雑な制度や情報の多さに苦悩して、住まいの再建をあきらめてしまうことも珍しくありません。そのような方々を積極的に支援する仕組みや人材も乏しく、既存の見守り支援は安否確認に留まっているのが現実でした。

被災者が抱えていた課題

  • どこに相談していいか
    わからない

    どこに相談していいかわからない被災者
  • 支援制度が
    複雑でわからない

    複雑な支援制度に戸惑う被災者と支援者
  • 修繕だけでは
    生活再建できない

    修繕だけでは再建できない被災家屋

02

「公費解体」を選ばざるを
得ない支援制度

震災から半年。倒壊した家屋が辺り一面に広がる風景は、被災者の心を沈ませ、一刻も早い撤去が求められていました。しかし、撤去が進むにつれ、ある切実なジレンマが起きていました。
「本当は愛着のある自宅を直して住みたい」
多くの被災者がそう思いながらも、既存の支援制度では「解体」すれば負担の少ない生活環境が与えられる一方で、「修繕」を選択すると大きな資金負担を伴うかたちとなり、修理業者不足も相まって、「直して住む」ことのハードルは極めて高いものでした。
それにより、修繕可能な家屋や文化的な価値が高い建物までどんどん解体されてしまう現実があったのです。
被災者は生活再建のため、本意ではない「公費解体」を選ばざるを得ない。そんな構造的な死角が被災地の復興資源を蝕んでいました。

公費解体の課題

  • 街並みや文化、
    住宅資源が失われる

    地震で倒壊した建物と車。街並みや住宅資源が失われる課題
  • 民泊や一時滞在できる
    建物がなくなる

    民泊や一時滞在できる建物がなくなる
  • 復興までのコストが
    増大する

    復興コストの増大

居住支援全国ネットワークが
助成した
2つの居住支援事業

相談支援事業

  • アウトリーチ型の相談支援
  • 個別の家庭の事情に応じたケース支援
  • 長期的に関わる伴走型の支援
  • 士業や専門機関と連携したチーム型支援
  • 住宅の修繕だけでない生活全般の再建支援
支援者が被災者の自宅を訪問し、相談に寄り添っている様子

空き家等活用事業

  • 直せば使える被災家屋の調査
  • 住宅資源のデータベース化・流通促進
  • 被災家屋を改修した活用モデルの提案
  • 空き家等の活用スキームの提案
  • 被災者や移住者向けの空き家活用
冬の雪景色の中、担当者2名が被災空き家を前に現地調査をしている様子

現地レポート

対談から見る活動の成果

相談支援事業

士業相談活動の実情と成果

「士業相談活動の実情と成果」レポートの対談参加者(江﨑太郎氏・三上豊子氏・朝川千春氏・五十嵐航氏)
対談参加者
  • 特定非営利活動法人YNF|代表理事 江﨑太郎様
  • 珠洲市役所|復旧・復興本部健康サポート推進室
    室長 三上豊子様
  • 能登町役場|復興推進課 朝川千春様
  • インタビュワー:
    事務局ディレクター 五十嵐航

空き家等活用事業

被災家屋の利活用の成果

「被災家屋の利活用の成果」レポートの対談参加者(浅野大介氏・浦淳氏・立岡学氏・五十嵐航氏)
対談参加者
  • 石川県|副知事 浅野大介様
  • 一般社団法人 能登復興建築人会議|副会長 浦淳様
  • 一般社団法人 居住支援全国ネットワーク|
    (当時)事務局長理事 立岡学様
  • インタビュワー:
    事務局ディレクター 五十嵐航

生まれた効果

相談支援事業

  • 自治体と民間支援団体が連携した
    相談支援の仕組みが構築

    自治体と民間支援団体が連携した相談支援の仕組みが構築
  • 被災者を支援できる事業者や人材、
    士業ネットワークが育成

    被災者を支援できる事業者や人材・士業ネットワークが育成
  • 網羅的なアウトリーチにより
    再建困難な被災者が減少

    網羅的なアウトリーチにより再建困難な被災者が減少
  • 士業相談の有効性が明確になり
    行政の予算化や制度化につながった

    士業相談の有効性が明確になり行政の予算化・制度化につながった
  • 相談支援の対象者

    2,246

  • 居住環境が改善された被災者

    577

  • 育成された社会的不動産事業者

    1

空き家等活用事業

  • 官民連携で住宅資源を活かす会
    議体やプロジェクトが立ち上がった

    官民連携で住宅資源を活かす会議体やプロジェクトが立ち上がった
  • 県の方針と連動した家屋調査が
    行われ、
    住宅資源がデータベース化

    県の方針と連動した家屋調査が行われ住宅資源がデータベース化
  • 公費解体の留保制度が創設され、
    自宅を残す機会が担保された

    公費解体の留保制度が創設され自宅を残す機会が担保された
  • 被災家屋を改修した活用モデルや
    流通の仕組みが提案された

    被災家屋を改修した活用モデルや流通の仕組みが提案された
  • 被災家屋調査件数

    4,412

  • 活用可能性を見出した住宅件数

    743

  • 住宅改修モデル件数

    3

助成を受けて活動した

実行団体

一般社団法人 能登復興建築人会議

URL:https://notokenchikujin.org/

建築士の専門家団体として、被災者向けの建物相談、県と連携した住宅資源調査、被災地の課題を発信する「のとボイス」を実施

報告ページ

株式会社時事通信社

URL:https://www.jiji.co.jp/

新しい形の空き家活用スキーム「スムヤドスム」を提案し、被災者の住まいの受け皿や二地域居住を推進する仕組みを構築

報告ページ

特定⾮営利活動法人YNF

URL:https://saigaiynf.org/

住まいの再建に困難を抱える潜在被災者に、アウトリーチ型で専門家が個別に伴走支援する「士業相談」のスキームを構築

コンソーシアム構成団体

建築プロンティアネット北陸

URL:http://pronteer-net.org/

報告ページ

有限会社CR-ASSIST

URL:https://www.cr-assist.co.jp/

奥能登の不動産事業者を、被災者の生活再建相談や物件提供ができる「社会的不動産事業者」に育成するモデルを構築

伴走支援先

能登不動産株式会社

URL:https://notofudousan.com/

報告ページ